吉野本葛、葛湯の松屋本店 創業天保十三年

松屋本店の歴史

銘菓吉野拾遺の由来

吉野山にゆかりのある後醍醐天皇の『吉野拾遺』

延元元年十二月二十一日の夜、後醍醐天皇は足利尊氏に幽閉されていた京都花山院を脱出、
吉野の賀名生に遷幸され給うや、吉水院宗信法印は賀名生にはせ参じて、
天皇をお迎え申し上げました。
その時、哀愁のまつわる御歌を詠まれています。

-後醍醐天皇 御歌- 花にねて よしや吉野の吉水の まくらの下に石走る音

まことに美しい、しかし心を刺すような深い哀愁のまつわる御歌です。ここに吉野朝六十年の悲史はその第一ページを開きました。宗信法印は吉野随一の傑僧で、天皇の信任も厚く、延元四年八月十六日天皇崩御に際し、動揺する側近の人々を励まし『身不肖なりと誰も、宗信かくて候わん程は、当山に於て何の畏怖か候べき』と、吉野山僧の忠節を吐露し、士気を鼓舞したと言われています。

吉野行宮と吉水宗信方印

『吉野拾遺』三巻収蔵する、松屋本店の田螺庵主が、銘菓 葛湯 吉野拾遺と名付けました。

吉野拾遺(よしのしゅうい)は後醍醐天皇の吉野御遷幸より、二十三年間の南朝の事蹟を集録した古書です。『吉野拾遺(よしのしゅうい)』三巻を収蔵する、松屋本店の田螺庵主は、この吉野本葛をもって葛菓子『吉野葛湯』を創製し『吉野拾遺』と銘づけ発売いたしました。

熱湯を注ぐと浮菓子が「ふわり」と浮く、栄養に富み、風雅な味の葛菓子です。

葛を主体とした菓子で、栄養に富み、まことに風雅な味で、老人、子供には特によろこばれる栄養菓子であります。
名産吉野葛と共に、葛湯「吉野拾遺」は大和随一の名産として郷土のおみやげ、御病人の御見舞いに御贈答品として最適で御座います。何卒御高需を賜わり度御願い申し上げます。

熱湯を注ぎ静かに混ぜると、桜花をかたどった浮菓子が「ふわり」と浮き、とても品の良い甘さの葛湯が出来上がります。

年表

天保十三年一月松屋六平により味噌醤油の醸造、卸、小売、販売を開始
昭和八年四月山菜佃煮「吉野自慢」の製造販売開始
昭和三十七年ニ月葛湯「吉野拾遺」の製造販売開始
昭和四十年ニ月なめみそ「法論味噌」の製造販売開始
昭和四十一年四月葛菓子「吉野山」「吉野懐古」の製造販売開始

松屋本店の四季

松屋本店の四季

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